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世界あちこち見聞録 ぺトラの遺跡(ヨルダン)

暑さ厳しい折、いかがお過ごしですか?株式会社エマール広報担当MADAMHです。
新世界の7不思議シリーズ、今月は、1989年に公開されたインディージョーンズの最後の聖戦の映画にも登場していたこの遺跡をご紹介します。崖にあるこの遺跡は皆さんどこかで見たことがあるのではないでしょうか?

ペトラ遺跡はヨルダンにある世界遺産で、2007年に「新・世界7不思議」に選出されました。ペトラとは、ギリシャ語で『崖』を意味しています。2000年以上前にこの地に定住したアラブ人の一族ナバテア人は、切り立つ岩壁を削り、大都市を建てました。
ペトラこの街はかつて、商業や交通の要地として栄え、古代東方文化とヘレニズム文化との融合が見られる建造物や彫刻が多くあります。また、何の目的で作られたかもはっきりしないものが多く、謎に満ち溢れています。
ペトラ内への電動車両の乗り入れは禁止されている為、乗り物を利用する場には馬か馬車に乗ることになります。シリアの『パルミラ遺跡』・レバノンの『バールベック』ヨルダンの『ペトラ遺跡』を合わせて中東三大遺跡とも中東3P遺跡とも呼ばれています。ぺトラ遺跡の中心部へと導く峡谷(シーク)は、幅2m、長さ1.5kmあります。両側の絶壁は90~180mの高さで、地質断層が見られます。

岩肌は日の当たる角度によって色が変わり、行きと帰りでは全く異なった雰囲気を見せてくれます。現在は水が流れていませんが、両側の絶壁には運河の跡が見られ、シークが主要な交通路だったことが分かります。また、壁には祈祷用の碑や彫刻、霊石などが見られ、「シークには訪れる人を魂の内部に導く」という宗教的な意味もあったと考えられています。シークの終わりは一段と狭くなり、切り立った絶壁の間からエル・ハズネ(宝物殿)を望むことができます。ここは絶好の撮影ポイントとなっています。エル・ハズネとはアラビア語で「宝物殿」を意味します。ここは、映画「インディ・ジョーンズエル・ハズネは高さ約40m、幅約25mあり、紀元前30年~9年の間に建設されたと考えられています。住民の間では、エジプトのファラオの宝物が隠されていると信じられていたそうですが、実際は内部に何も残っていないため、神殿として使われたのか、王の墓だったのか分かっていません。
現在は中に入れず、外から内部を覗くことができます。この建物には、コリント様式やヘレニズム文化の影響など様々な建築様式が使われていて、当時、この地域はギリシャ、エジプト、アッシリアなど、様々な地域の文化の影響を受けていたことが分かります。エル・ハネズ(宝物殿)からさらに奥に伸びるファサードを進むと、ローマ円形劇場、墓地群、凱旋門などが現れます。
凱旋門の周辺は、ローマ時代には街が形成されていて、王家の墓や神殿があったと考えられています。
ファザードの最終地点は山道へと続き、ここを登るとエド・ディル(修道院)に着きます。エド・ディルは標高1,000mに位置し、900段以上の階段を登り切ったところに現れる姿は圧巻です。エル・ハネズ(宝物殿)に似た建築様式ですが、エル・ハネズより一回り大きく、高さ約45m、幅約50mあります。紀元前106年、ペトラがローマ帝国に併合された後、キリスト教の修道士が住んでいたことから修道院と呼ばれていますが、実際は神殿だったことが分かっています。30年以上前の映画でしたが再度見たくなってしまいました。最近インディージョーンズシリーズの映画【インディ・ジョーンズと運命のダイヤル】が上映されていますね。前作から15年ぶりの新作となりますが、これも合わせてぜひ映画館へと行きたいものです。