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早坂社長が捉える、入管法が変わる、今

ーー現在日本では、入管法が改正されて日本人の仕事が減るんじゃないか?という話を耳にしますが、 
  実際の所どうなんでしょうか?

早坂社長 外国人がたくさん入国する事自体、日本人は警戒しますよね。外国人が増えると治安も心配だと考える気持ちもわかりますよ。でも、日本人が損するようなことにはならないでしょう。これから高齢化社会になって行くから、年間54万人ずつ減っていく労働人口を増やさないと、国の財源が確保して行けないよね。
そもそも今回改正された入管法自体は何十年も前から存在していて、それに新しい在留資格が加わったり、条件が緩和されたり、「家族にも在留資格を与えますよ」と滞在しやすさを広げただけなんだよね。だから、そういった流れは今に始まったことではないという事ですよ。

ーーそんなに昔から入管法は存在していたんですね。

早坂社長 1981年のバブル前期に、「出入国管理及び難民認定法」いわゆる入管法が大幅改正されたのが今回の始まり。そして1989年の改正で日系ブラジル人達が、出稼ぎにやって来たんだよ。日本は人手不足に陥っていて、それを外国人で補う動きがあったから。その頃の日本には日系ブラジル人がたくさんいたよ。南米各国からどんどん日系人が日本に出稼ぎに来た。その後2004年に再び入管法が改正されて、悪質な不法滞在に対する罰則・強化を経て現在の改正につながったと思うよ。
1980年代後半私は、親族が経営する会社で、南米でプロポリスとか石を輸入する仕事をしていたんだけど、ふとしたきっかけで、あるブラジル人に何か仕事を紹介してくれないか?と頼まれてね、紹介しているうちに、これは商売になるかもしれない!と、派遣会社を立ち上げたんですよ。
そもそも、派遣という形は江戸時代あたりからあったからね。最初は、ちょっと怖い人たちが、貧しい農民たちを集めて人が足りないところへ紹介したりしてさ。それに需要があったからどんどん増えて行ったんだろうね。港湾労働者派遣のはじまりも、そういう怖い人たちからだって言われているよね。私は生まれも育ちも小山で、会社やるなら小山でって考えていたんだけど、小山にもその場所を仕切っている怖い人たちがいてさ、争わずにやっていきたいから創業当初は半径50㎞くらいまで出向いて話し合ってさ、仕事をする縄張りを決めて行ったんだよ。今思えば大変だった。まあ、その中で怖い経験も何度かしたけどね(笑)
その後、悪質な派遣会社がどんどん増えて行った事もあって、派遣法が施行されて派遣会社への規制がどんどん厳しくなって行って、そのうち怖い人たちはいなくなって行ったよ。

ーーその後、外国人労働者達はどうなって行ったんですか?

早坂社長 バブルがはじけた後、よく失われた20年なんて聞くけど、その間日本経済は長い事冷え切った状態が続いていて、金融も引き締められていたよ。お金が回らないから職も無くなる。外国人労働者の来日人数は減って行った。日系3世や4世(保護者付)は定住はできたんだけど、その頃には南米の方も景気が回復していったからね。
その後、経済を引き締めすぎた日本は労働力が足りなくなってきた。そうすると、中国・フィリピン・インドネシア・ベトナムなどの国と二国間条約を次々結んで行ってさ、外国人技能実習制度というものを見直して労働力を確保して行ったんだ。名目上は、実習や研修で、日本から発展途上国への技術移転となっているんだけどね。
この制度が、表向きでは労働力ではないとなっているから厄介で、後に賃金の未払いや低賃金で働かされたり、違法残業とか、過酷な労働環境に置かれて問題になって行くんだよね。だからこの制度はどんどん改正されて、今は監督機関が設けられたり、人権を守らないと罰則がついたり、保険に加入ができるようになったりと、外国人労働者を保護するスタイルに発展したんだよ。

ーー外国人労働者が働きやすい環境が整ってきたんですね。

早坂社長 そうそう。日本も少しづつ経済が上向きになって来たのに加えて、高齢化社会になって行くでしょ?将来、1人の高齢者を2人の労働者で面倒を見ていくって言われているからさ、どんどん働き手が必要になってくる訳。なのに日本は少子化が進んでいる。だから、外国人労働者が働きやすい環境を整えて、もっと外国人に働きに来てもらおうっていう政府の考え。移民政策とか言われているけど、日本は移民を受け入れないっていう一貫した考えをもっているから、移民政策ではないと思うよ。あえて言うなら「期間工ならぬ期間移民」かな?
働きやすい環境といったら、今回の改正入管法の中に労働者も家族も永住権を取得できるっていうのも大きい変化だよね。まあ10年以上日本で働いていて、日本語がほとんど理解できて、素行善良っていう、だいぶハードルが高いものになっているけどね。それでも日本に、出稼ぎではなく家族と一緒に永住できるっていうのは魅力的だよね。

ーー今後に向けて、一言お願いします。

早坂社長 当社エマールは、お陰様で今年創立20周年を迎えることができました。
国税庁の発表では、国内企業の生存率は20年でおよそ0.25%にまで下がるそうです。
当社が創立20周年を迎えられたのも、皆さまのご支援あってのことと心から感謝いたしております。
さまざまな法改正がありますが、当社としましてはこれを好機と捉えて、有能でやる気のある外国人労働者と、それを求めている日本企業のみなさまの、懸け橋となって行けるよう、これからも一層の努力をして行きたいと思っております。